平成28年度 補助金の公募予測 vol.3
1.補助金の公募予測
平成27年12月24日 平成28年度予算案等が閣議決定されましたので、同日 経済産業省より『平成28年度経済産業省関連予算案等の概要』が公表されました。そこで、平成27年12月18日に閣議決定されました平成27年度補正予算案等を含め、改めて平成28年度に公募される可能性の高い補助金のうち、中小企業・小規模事業者に関係する主要なものをまとめてみました。
(1)創業・第二創業補助金
(事業目的・概要)
地域活性化には、地域における女性や若者などの起業・創業を促進し、経済の新陳代謝を図る必要があります。そのため、産業競争力強化法の認定市区町村で特定創業支援事業を受け、創業を目指す創業者や第二創業者を支援します。
(事業イメージ)
① 地域で新需要を創造する新商品・サービスを提供する創業者の創業費用を補助します(補助率2/3)
・補助上限額:200万円
② 事業承継を契約に既存事業の全部又は一部を廃止し、新分野に挑戦する第二創業者に対し、創業費用に加え、廃業費用(法手続費用、在庫処分等)も補助します(補助率2/3)
・補助上限額:1,000万円
(2)ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金
(事業目的・概要)
国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、認定支店機関と連携して、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行う中小企業・小規模事業者の設備投資等を支援します。
(事業イメージ)
① 革新的サービス・ものづくり開発支援(補助率2/3)
・【一般型】 補助上限額:1,000万円
中小企業が行うサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援
・【小規模型】 補助上限額:500万円
小規模な額で行う革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を支援
② サービス・ものづくり高度生産性向上支援(補助率2/3)
・補助上限額3,000万円
IoT等の技術を用いて生産性向上を図る設備投資等を支援
(3)小規模事業者持続化補助金
(事業目的・概要)
小規模事業者のビジネスプランに基づく経営を推進するため、商工会・商工会議所と一体となって経営計画を作成し、販路開拓に取り組む費用を支援します。また、小規模事業者の経営を筋肉質にしていくことを目指して、業務効率化・生産性向上に向けた取組も支援の対象とします。
(事業イメージ)
補助率:2/3
補助上限額:50万円
100万円(海外展開、雇用対策、買物弱者対策)
500万円(複数の事業者が連携した共同事業)
※つまり、創業・第二創業補助金、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金、小規模事業者持続化補助金については、平成28年度に公募される可能性が非常に高いと考えられます。
2.専門家によるアドバイス
(1)補助金申請の傾向
通常、各補助金の公募後、1カ月程度の短い準備期間で、事業計画の検討から申請書の作成まで行っています。その為、非常に限られた準備期間で、新たな事業計画を十分かつ具体的に検討することに苦労する傾向にあると考えられます。また、創業・第二創業補助金について、平成28年度の予算枠が縮小していますので、より狭き門となる可能性があります。
(2)専門家によるアドバイス
事業計画書の作成に十分な検討時間を取ることが重要となります。それにより、補助金申請の採択される確率を高めるだけでなく、事業計画の実現可能性も高められると考えられます。あくまでも、補助金申請を新たな事業計画の検討をする良い機会と考えて、事業計画書の作成を早めに、はじめてみてはいかがでしょうか。そして、事業計画書の作成により、ビジネスモデルの文書化ができ、事業戦略の再検討に貢献いたします。